【全体講評】
解答形式:記述式
分量・難易(前年比):分量=変化なし,難易度=やや易
特徴:長文読解と日本語での記述問題。会話問題と和文英作文、自由英作文と問題数は例年どおりだが、記述問題の形式に変更があり、全体的に記述解答量が増加した。大問1は具体説明を問う設問形式になった。
【大問分析】
問題Ⅰ 読解記述「外国人に対する日本人」
筆者が日本での暮らしの中で、決して悪意があるわけではないが、外見上の理由で排他的な扱いを受け、もどかしさを感じている趣旨が描かれている。前年度より解答字数は三分の一程度(130~150字→85字~100字)減少しているが,設問1は該当箇所が広域に及ぶため、やや難易度は高い。
設問2はthe sameの意味と語法的特性に注目すれば十分解答が得られる平易な問題といえるが,そうでなければ戸惑う可能性がある。全体的に典型的な標準レベルの記述問題で場当たり的ではなく、体系的な解法を訓練しておけば十分解答できる問題である。
問題Ⅱ 読解記述「タクシー運転手と海馬」
一見ユニークなタイトルだが,内容はタクシードライバーの資質として必要な脳の作用について論じており、抽象度は大問1より高いと言えるだろう。ただ設問数は前年度より一つ減少しており、解法も長文の『読み方』を忠実に実行すれば、充分正解が得られる。問題文を読み、情報構造の展開に注目して読めば十分高得点が得られる。
問2は例年出題される、和訳問題だが、基本的な英文構造で内容の把握ができる。やや直訳の不自然な箇所は同じ内容の反復を探せば違和感のない日本語に置き換えられる。
問1〜3は,問題文の指示に注目すれば難なく解答できる。
Ⅲ 長文会話型英作文
問1 例年どおり短文型空所補充英作文が出題。難易度も例年と大差はない。文脈から解答を類推する問題だが、例年解き方は一貫しており今年度も同じ攻略法で解答できる。
問2 問1と同じだが,I thoughtから始まるため、登場人物の立場と、時制に注意して処理すれば容易に解答が得られるだろう。
Ⅳ 条件英作文
問1 与えられた日本語を英語に変換する、和文英作文である。内容は平易だが『テレビ』『つけたままにしておく』『必要』『~ではなく』を直訳だけで処理すると,全て誤答を書いてしまう可能性が非常に高い。では一体どこが誤答か?即答できないようでは英作文を体系的に学習していないか、明らかに間違った学習(知っている単語をつなげるだけ)をしてきた証拠。英作文の基本的学習姿勢が確立できていればむしろ非常に易しい問題でもある。明暗がハッキリ分かれる問題だろう。
問2 最初に設定された文を選択し、後続する英文を書く問題である。展開しやすい内容を考え英文を展開していけばいい。平易な問題なので難しい文を書く必要はないが『方法=way』の使用方法を知らずに不用意に処理するとミスを犯す可能性がある。特に英作文の体系的学習が著しく欠如している受験生は手痛い失点になることだろう。
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